丹原町商店街 菓舗 とくのや1

丹原町商店街 菓舗 とくのや
渡部安弘さん・渡部裕也さん

人々の暮らしを支えた歴史ある丹原町商店街の今

街の中心として多くの人で賑わった商店街

道前(どうぜん)平野の南西に位置する丹原(たんばら)町は、江戸時代から商家が集まり、商業地として発展してきました。そんな地域にある「丹原町商店街」は、明治から昭和にかけても商業の中心地として賑わい、人々の生活を支えてきたのです。
「昔は映画館や廻り舞台のある芝居小屋があって、表通りだけでなく裏まで店が並んでいました。50〜60人くらい入れる大きなキャバレーがあって、よその町からも人が来ていたほど。とても賑やかだったんですよ」

そう話すのは、「丹原町商店街」にある、和菓子や洋菓子を扱う「菓舗 とくのや」の渡部安弘さん。創業は明治26年で、100年以上も続く老舗です。安弘さんは3代目で、現在は娘さんとお孫さんの渡部裕也さんが中心となり、店を切り盛りしています。

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平成元年の丹原町商店街の様子。

店主の高齢化と後継者不足で、店が減っていく

18歳で先代の後を継いだ安弘さんは、時代とともに移り変わる商店街の姿を、ずっと見つめ続けてきました。
「大型店に対する規制緩和の後、日本中の多くの商店街と同様に、丹原町商店街も衰退していきました。現在残っている店は20軒ほど。店主の高齢化が進み、毎日営業できないという店も多いです。私は78歳ですが、店主が85歳を過ぎている店もありますよ。後継者も不足しているし、このままでは今後ますます店が減っていくでしょうね」(安弘さん)

約1kmの「丹原商店街」にはシャッターが閉まった店舗もありますが、ところどころに立派な木造建築が残り、昔を偲ばせる情緒のある風景も見られます。このような歴史ある商店街にこそ、新しいチャンレジが求められているのです。

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現在の丹原町商店街の様子。

商店街の有志が礎をつくった「丹原七夕夏まつり」

以前は商店街を盛り上げるために、いろいろな活動をしていたという安弘さん。毎年8月5日〜7日に開催される「丹原七夕夏まつり」もその一つ。商店や地域の団体によってつくられた、趣向を凝らしたカラフルな笹飾りが丹原商店街の通りを彩る、夏の風物詩となっています。

「丹原商店街には、大正時代から各商店が店先に笹飾りを立てて通行人を楽しませる伝統がありました。40年くらい前に商店街の有志が集まって、この伝統を活かし、もっと盛大にして商店街を盛り上げようと、新しい取り組みを始めました。大きくて華やかな笹飾りをつくったり、地元の小学生にパレードをやってもらったり、徳島から踊り手を呼んで阿波踊りを踊ってもらったり、いろいろな工夫をして、今のようなお祭りに育てたんです」(安弘さん)

その努力が実を結び「丹原七夕夏まつり」は新しい伝統として、多くの人を楽しませ、毎年約3万人が集まるお祭りとして地域に根付いています。

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地域内コラボや学校帰りの憩いの場の復活を

「菓舗 とくのや」を引き継ぐ渡部裕也さんは、「丹原町商店街」で生まれ育ちました。神戸などで修業をして、祖父である安弘さんの後を継いで3年目。季節に合ったケーキや新しい商品を積極的に提供しています。

「商店街に飲食店が増えてくれると嬉しいですね。例えばレストランやバーなら、うちのお菓子をデザートとして提供してもらうなど、地域内でコラボレーションができるのではないでしょうか」(裕也さん)

また、ご自身が小・中学生だったときには、子ども向けの駄菓子屋などが近所にあったけれど、今ではなくなってしまったことが残念だといいます。

「近くに小学校、中学校、高校や保育園などがあるので、軽く食べられるおやつなど、子どもや学生に向けて何かを提供するにはとても良い立地です。学校帰りにちょっと立ち寄れる場所が復活すると、みんな喜ぶのではないかなと思います」(裕也さん)

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菓舗 とくのや
愛媛県西条市丹原町丹原244
☎ 0898-68-7145