特定非営利活動法人 西条自然学校1

特定非営利活動法人 西条自然学校
山本貴仁さん

西条の自然と向き合い、守って伝える専門家集団

西条市の豊かな自然を伝える活動

「西条市の石鎚山から加茂川河口までの高低差は、約2000メートルあります。また、加茂川の河口にある干潟は、日本で6番目に広く、非常に貴重なものなのです。地形条件が多様ですから、生物も多様性に富んでいる。そのような環境が、一つの市の中にあるというのは、大変貴重なことだと思います」

そう話すのは、「西条自然学校」の理事長を務める山本貴仁さんです。「西条自然学校」は、西条の自然を守ることを目指し、自然観察や体験教室、エコツアーガイド、講演などを通して、西条市の自然の豊かさを広く伝える活動をしています。また、廃校になった小学校を改装した自然体験型学習施設「石鎚ふれあいの里」の運営も担っています。

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専門家のスタッフが独自に調査・研究

山本さんの前職は、愛媛県総合科学博物館の学芸員で、生物が専門です。山本さんを始めとした「西条自然学校」のスタッフは、それぞれが昆虫や海洋生物などの専門分野に携わっています。独自の調査・研究活動に力を入れており、自分たちで収集したデータをもとにした情報を発信していくことに取り組んでいます。

「西条の自然を守るためには、現状をきちんと調査した上で、課題を見つけ出し、いろいろな形で伝えたり、提言したりすることが重要だと考えています。私たちの日頃の調査・研究は、そのための基盤になるものです」(山本さん)

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西条市の7割を占める山間部を活かす

豊かな自然が存在する西条市の中で、山本さんがとくに注目しているのは、山です。西条市は面積の7割が山で、古くはスギ・ヒノキの生産地として栄えていました。しかし、現在は林業が厳しい状況にあり、放置されている山も多いといいます。

「林業に限らず、山間部から生み出せる資源はたくさんあると思います。私たちが扱っている生物も一つの資源ですし、人が住んだり活動したりする場所として活かしていくこともできるのではないでしょうか。石鎚山には毎年たくさんの人が訪れますが、西条市は通り抜けてしまう人が多い。それはとてももったいないことだと感じています」(山本さん)

山間部の資源や場所を活かし、石鎚山に来る人が楽しめるような仕掛けをつくっていくことも、よい取り組みになるかもしれません。

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西条市の中山川、猪狩川、加茂川沿いで夜間に数多く観察されるアカテガニ。

西条の自然に関する知識を役立てる

さらに、「西条自然学校」のスタッフたちが日々積み上げている、地域の山の植物や生物に関する幅広い知識も、一つの資源であるともいえます。

「たとえば、西条の山のどこにどんな種類の薬草が生えているか、私たちはとてもよく知っています。今のところ、それを活用することはできていませんが、もし、それらを原料として何かに役立てたいという人がいれば、一緒に新しい取り組みを考えることなどもできるかもしれませんね」(山本さん)

「西条自然学校」には、CSR(企業の社会的責任)の一環として、環境に配慮した活動や社会貢献活動をしたいという企業からの相談も、数多く寄せられているといいます。技術力や経験、知恵などを役立て、西条の自然を守っていく取り組みが、一部ではすでに始まっているのです。

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生物の多様性が豊かな加茂川の干潟。

西条自然学校
愛媛県西条市中奥1号25-1 
☎ 080-5667-5314
http://saijo-shizen.org